くまプリ

ちくまプリマー新書の感想置き場

3冊目 幸せになる力

 No.78

 

 子供の頃、私は色々と物覚えが悪いタイプだった。シンプルに勉強は苦手だし、運動もだめ。太っていて見た目も良いとは言えず、物忘れもしたり不器用だし、所謂優秀とはかけ離れたタイプだった。そのため、よく親からは怒られ、ダメな奴と罵られてきた。

 それから何十年と経ち、大人になり、親元を離れて生活している。もう何年も会っていない。会っていない方が快適だし、何かを言われるわけでもないから。ただ、過去の自己肯定感を下げる日々は私自身の存在意義を失わせ、今は茫洋としてなんとか生きている。いや、ほぼ幽霊に近いのかもしれない。

 清水義範さん著の『幸せになる力』を読んだ。著者としては、幸せになることは大人になることに近しいものとのこと。対象が中高生向けに書かれているからこの様な表現になるのだろう。となると、今の世の中は大人になりきれていない人で溢れかえっている様に思える。あなたは幸せですか?と尋ねて、幸せだと応える人は少ないだろう。私もあまり出会ったことはない。

 著者のよれば端的に言うと、自分を好きになる。幸せは自分の心の持ちよう。ということになるのかと思う。そう、書いてはないけど多分そんな感じ。そして、簡単そうで難しい。それも書いてはないけど、そうだと思う。

 客観的に自分を見ることができてない私は、まだまだ子供なのかもしれないです。